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広報チームブログ
【オススメの一冊シリーズ】No.2 相場 洋子 司書
本学のキャンパスは木々が赤や黄色に色づいています。日暮れも日ごとに早くなり、夜長を楽しむ季節になりました。この時期はなんとはなしに書棚に目をやるものですね。
以前は職員から直接おすすめの本を聞くことができた中嶋記念図書館ですが、今はそれが叶いません。
そこで、本学の教職員に「私がオススメする一冊」を聞きました。
シリーズ第2回は、中嶋記念図書館 相場 洋子 司書の「オススメの一冊」をご紹介します。
プロフィール
相場 洋子 司書
- 好きな書籍:すべてのジャンル
- 好きな著者:紫式部、夏目漱石、萩原朔太郎、三島由紀夫、澁澤龍彦、横溝正史、H.P. Lovecraft, Philip K. Dick, Paulo Coelho, Thomas Harris, Kazuo Ishiguro, Steve Mirsky (Scientific American writer)
おすすめの一冊
凪良ゆう「流浪の月」(東京創元社)
この本を選んだ理由
司書をやっているといろいろな本と出合うのは間違いないが、この本を薦める理由は現在書店で絶賛発売中の2020年の本屋大賞受賞作品であるからではない。この作品はAIUのコミュニティメンバーから図書館に購入依頼があり、図書館委員会の承認を経て購入したもののひとつだ。是非みなさんにも読んでいただきたい。
メッセージ
書店でだけでなく、読者も批評家もこぞっておススメの作品とうたわれている本作である。日常とよばれる、大多数の人間にとってごくごく当たり前の日々の中で、“生きづらさ”を感じる若い世代が共感を覚える作品とのこと。作者がそれまでとは異なった設定に初めて挑んだ作品で、言葉では言い表せない恋愛小説のようなものにもなっている。
私個人としては、主人公の子供らしからぬ言動に苛立ちを覚え、また小児性愛というテーマがうまく文学作品という形で昇華されたのかという点等においてはかなり不満の残るエンディングであったように思う。それとも、これは作者の読者への投げかけで終わるというテクニックの一つなのであろうか?ナボコフの『ロリータ』、直木賞作品である桜庭一樹の『私の男』と、時代が変われば読み物もかわる。読者が望む作品とは何かを改めて考えさせてくれる作品だ。
今回ご紹介した本は、本学の中嶋記念図書館で取り扱っています。本の詳細はこちらからご覧いただけます。
中嶋記念図書館では、本学学生と教職員を対象に図書購入依頼を受け付けているほか、本学学生を対象に図書郵送貸出サービスを実施しています。
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