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国際ジャーナリスト黒瀬 悦成氏による公開講義「バイデン政権の内政と外交」を開催しました
5月19日(木)、産経新聞東京本社編集局副編集長兼外信部編集委員の黒瀬 悦成氏を招いて、公開講義「バイデン政権の内政と外交」を開催しました。これは本学グローバル?スタディズ(GS)領域?竹本 周平助教の授業「アメリカの外交政策」の一環として、5月22日(日)のバイデン大統領訪日を前に、トランプ前大統領の政策と比較しながら、バイデン政権が抱える諸課題を分析するための機会として設けられたものです。
参加した学生からは、ロシアのウクライナ侵攻に対するアメリカの対応や、米中関係、バイデン政権がアジア太平洋地域全体に与える影響等について、活発な質疑応答が交わされました。2年振りの対面開催となった本公開講義には、学生?教職員あわせて33名が参加しました。
参加した学生の一人、グローバル?スタディズ領域の脇 和生さんの感想を抜粋して紹介します。
対外政策に関するアメリカ世論の現状、およびその外交政策との関連についてのお話は非常に興味深いものでした。冷戦後の国際政治を振り返ると、そこには「民主主義」、「法による支配」、「自由」といった諸西洋的価値観を旗印に対外政策に積極的であったアメリカが思い出されます。道徳的外交論に基づき始められたイラク戦争を例に考えても、特に戦争初期段階においては、政治家?市民が軍事的勝利と愛国精神に突き動かされ、積極的な対外政策を支持していたように感じられます。そうした「過去」のアメリカ像が根底から変わりつつあるという分析を聴くことができ、非常に勉強になりました。
現在の国際社会に目を向けると、黒瀬先生も講義でお話しされていたように、我々は一種の岐路に立たされているように感じられます。ロシアによるウクライナ侵攻、程度は不明瞭であるものの深化がみられる中ロ協力関係など、権威主義国家による自由民主主義に対する対抗は激化の一途をたどっているように思われます。そうした中、依然としてアメリカの影響力は強く重要な役割を果たしていることは自明です。自国日本の安全保障を考えても、対米関係の重要性は火を見るより明らかです。権威主義国家による挑戦を受ける国際社会において如何に問題に対処するべきかを考察するうえで、アメリカの政治を知る重要性は残り続けていると考えられます。
アメリカという国の国際的な存在感が残り続ける中でも、変わり続ける国内政治のダイナミズムを正確に理解する重要性を強く覚えました。浅学菲才の自分にとっては、今後の国際情勢を分析するうえで得難い学びとなりました。