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オードリー?タン氏が公開講義で講演
6月14日(火)、台湾のデジタル担当大臣であるオードリー?タン氏が授業「グローバル研究概論」にオンラインで登壇しました。
約1時間に及んだこの講演は「A conversation with Audrey Tang」と題され、そのほとんどが学生や教職員との一問一答に割かれました。質問は尽きることなく、学生たちも多くの刺激を受けたようです。
ここではその一部を抜粋してご紹介します。
すでに多くの功績を残して来られたタン大臣ですが、その原動力はどこにあるのですか?
私は本当にただ今の仕事を楽しんでいるのです。…(中略)…私にとって、1つのテーマで相反しているように見える10の意見に耳を傾けることが、本当に楽しいのです。一晩考えて、「あれ、それって皆○○を共通点に持っている」と気づく瞬間、対立を協力に変えられると気づいた瞬間に感じる高揚感が原動力です。
タン大臣は台湾でのデジタル化の推進だけでなく、デジタル?ディバイド※の解消にも取り組んで来られました。デジタル技術を正しく使うことで、その負の側面は解消できるとお考えですか?
(私が進めてきたデジタル民主主義で)キーワードとなるのが、plural(多様なバックグランドを持った人々の協力と集合知)です。つまりそこには一つの「正しい使い方」というのが存在しないのです。もし政治的な意思決定の中でトップダウンによる「これが進むべき唯一の道だ」という提示があったとしたら、その取り組みはその時点でpluralではなくsingularとなってしまいます。…(中略)…私が意識しているのは、社会のあり方や技術の活用を考える時の「謙虚さ(humbleness)」です。デジタル技術は、「痛み」に最も近い人が、自分自身に最も合った形で、自分の目的に沿って活用できるように設計することが大事です。社会のあり方を「覆す」のではなく、社会のあり方に「寄り添った」ものを導入するのです。この謙虚な視点は、未来の世代への謙虚さでもあります。可能性を持った若い人ほど、新技術の恩恵を自身の力に変えられるからです。
講演の様子は、「デジタル民主主義」を掲げるタン大臣の方針のもと、台湾デジタル庁の公式サイトでも動画としてその全体が公開されています。