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私のオススメ授業紹介:バイオテクノロジー演習(井口 涼花さん)
国際教養大学の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。
今回は井口 涼花(いぐち すずか)さんのオススメ授業をご紹介します。
皆さんこんにちは!2020年春入学、3年次の井口 涼花です。現在フランスのネオマビジネススクールに留学中です。今回は私のおすすめの授業、バイオテクノロジー演習をご紹介します。
科目情報
- BIO205 バイオテクノロジー演習
- 教員:アンディ?クロフツ教授
- 単位数:3単位
教授に誘われ、履修を決意!
この授業は生命科学を対象とした研究テーマを学生自身で決め、その解明に努める授業です。何を調べどのような実験を行うか、教授にアドバイスをいただきながら、学生主体で研究を進めていきます。実験や3Dデータの製作を通して、データを扱う科学的思考力を身につけることが目的です。
この授業を選んだきっかけは、教授に「面白い授業があるから参加してみない?」と誘われたことでした。この授業は履修人数も特に少なく、人と違う体験をしてみたいと思う私にとっては、この少人数の授業は魅力的に感じました。さらに、もともと文系科目より理系科目の方が好きで、数学や理科に触れたいという気持ちもあり、いわゆる文系大学であるAIUで行われる生物研究の授業がどのようなものなのか興味をそそられたため、履修しました。
自分の組み立てた3Dプリンターで、自分のデータを印刷したときは感動!
最初の1カ月間は3Dプリンターの組み立てを行い、その後研究を進めていきました。3Dデザイン能力はこの授業の研究に必要不可欠です。私がこの授業を履修していた2021年は学期初めがオンライン授業だったので、リモートでやり取りをしつつ、3Dプリンターを組み立てていきました。説明書を見ながら工具を使い、組み立てていく作業は楽しく、没頭していた記憶があります。
プリンターが完成したら、3Dデータの制作方法を学びました。アプリを使って三次元モデルのデータを作っていくのですが、ここでは数学的知識やIT知識が試されます。データが完成したら、専用のアプリを使って印刷することができます。自分たちで組み立てた3Dプリンターで初めて自分で制作したデータを印刷したときの感動は忘れられません。まるで子供が賞を取ったような感覚…!
研究者のような体験ができる
教授の研究範囲である生命科学の分野であれば、どんなものを研究するかは学生に一任されています。私は「ミドリムシは砂糖を感知することができるのか?」という疑問をもとに研究を進めました。
研究の手順としては、まずは仮説を立て、それを証明するためにどのような実験をする必要があるか考えます。そして実験を行い、実験結果と仮説を照らし合わせ、結果から何が導き出されるのかを考察します。最後にその考察に基づき新しい仮説を立て、次の実験の修正へ繋げます。この科学的方法をもとに研究を進めていきました。実験の際には、必要なものを3Dプリンターで作ったり、専用の器具で砂糖の量を測ったり、明るさを細かく調節したりと、まるで研究者のような体験をすることができました。
オススメポイント
「生命科学」というトピックは多くのAIU生にとって将来必要な分野ではないかもしれませんが、この授業を通して科学的知識以外にも様々なことを学ぶことができます。
科学的方法は他の学問にも応用できる
先ほど説明した観察→仮説→実験を繰り返す科学的方法は、様々な学問に応用できます。非常に説得力が高い手法であるため、自分の意見を主張したい時や考えをまとめたい時でも効果を発揮する考え方です。これを実際に経験として学べる機会はとても貴重です。
主体性が養われる
この授業は自分たちの実験を自分たちで進め、教授はあくまでアドバイスをする役割でした。何を考えどのような実験をするかは学生に一任されています。学生の意思が尊重される授業なので、主体性が養われます。
少人数クラスならではの利点
少人数のクラスなので学生同士で協力する必要があり、もちろん教授とも密接にコミュニケーションを取る必要があります。当初は英語でのやり取りに不安がありましたが、この授業を通して英語力もとても高まりました。
知的好奇心が満たされる素晴らしい授業
私はこの授業で、今まで履修したどの授業よりも強く、学ぶことの楽しさを感じることができました。発表用に動画を作っていた時期はなかなか忙しく、実験がうまくいかないことで悩んだ時期もありましたが、研究室に向かう足取りはいつも軽かったです。講義を聞いて課題を行うことが基本である他の授業に比べて、知的好奇心が満たされる素晴らしい授業です。
AIUはリベラルアーツ大学のため、私のように理系科目が好きな学生のための授業もあるのは大きな強みです。文系大学といっても侮ることなかれ、化学研究室には多彩な実験機器が揃っています。3Dプリンターを組み立て、様々な機器を使いこなす経験は、他大学でも得難いものだと思います。私はすっかりミドリムシの虜になり秋学期が終わった後も研究室に通っていたほどです…!多くの学生にこの貴重な経験をしてほしいと願っています。