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私のオススメ授業紹介:政治思想概論(平山 友里夏さん)
国際教養大学の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。
今回は平山 友里夏(ひらやま ゆりか)さんのオススメ授業をご紹介します。
科目情報
- PLS220 政治思想概論
- 教員:ノア?ケオネ?ヴィエルネス 准教授
- 単位数:3単位
国際協力に、政治と教育の観点からアプローチするために
以前ご紹介しました、「国際協力?開発論 Ⅰ」の授業を履修した経験から、国際協力に関して、「政治と教育の観点からアプローチしたい!」と思うようになりました。といっても、今まで政治に関して深く学んだことがなかったため、まずは基礎から知識を深めたいと思い、この授業を履修しました。
オススメポイント
この授業では、古典から現代に至るまでの政治思想について理解を深め、政治思想の理論がどのように私たちの日常の出来事や世界情勢と関わっているのかを主に学びます。
政治思想という目に見えにくいものが、私たちの生活にあふれている映画や音楽という実体あるものとして表れているということを、実際に映画を観たり、音楽の歌詞について分析したりすることで実感できたことが一番おもしろかったです。例えば、フランスからアルジェリアが独立するまでの過程を描いた映画『アルジェの戦い』を授業で鑑賞した際には、アルジェリアの人々にとってどれほど民族自決が重要だったのか、どのような植民地支配がされていて、市民がどのようにして独立を勝ち取ろうとしたのか、理論を学ぶだけでは分からなかったことも理解することができました。映画だけではなく、音楽や演説、SNS上での社会運動を分析することで自分(市民)の行動が政治的結果に影響を与える、また、政治的出来事が私たちの生活や行動に影響を与えることを実感し、もっとこの分野に興味を持ちました。この授業で、理論という基礎を学ぶことで、日常や国際社会における出来事への理解度が高まったなと感じています。
また、この授業で学んだ理論は他分野でも土台となる考え方です。私がそれを実感したのは、この授業を履修した後に行った留学先での経験でした。というのも、留学前は、この授業で学んだ理論を出発点とし、ここからもっと政治や国際関係について学びたいと思い、留学先では国際関係学や政治学を中心に履修を決めました。「Theories of International Relations」(国際関係理論)の授業では、それぞれの国家行動について理解を深めるために、ホッブス、ロック、カント、マキャベリといった政治哲学者の考えを比べたり分析したりしました。留学前にAIUの「政治思想概論」で基本的な理論を学んでいたからこそ、そこに立ち返ることで留学先での授業をより深く理解できると感じました。また、「Social Theory」(社会理論)の授業でも、上記の授業で扱った政治哲学者の理論について学びましたが、政治学だけではなく、哲学や社会開発の分野において、どのようにその理論が役立つのかを実感しました。出発点は同じでも、そこから様々な分野に知識を応用することができると感じられたのも、この授業を履修してよかったことの一つです。
こんな人におすすめ
AIUでは専門課程での学修や、課外活動、1年間の留学など、学んだことが別の分野で役に立つ?役立てられる機会がたくさんあるので、この授業は全ての学生におすすめしたいです。横断的な学習を可能にしてくれるAIUのリベラルアーツカリキュラムを体感できる授業だと思います。