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私の留学レポート:シンガポール?南洋理工大学?山本 樹延さん(2)~
国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。
今回は、シンガポールに留学中の山本 樹延さん(やまもと きの)さんのレポート第2弾をご紹介します。
こんにちは!グローバル?スタディズ課程の山本 樹延です。北海道出身で2021年春入学、2023年8月からシンガポールの南洋理工大学(Nanyang Technological University)に留学中です。
今回のレポートでは、留学先での冬休みから2学期半ばにかけてのことについて書きます。授業と課題、テストに追われながらなんとか最初の学期を終えて現在に至るまで、私自身の気持ちや周りの状況にもさまざまな変化がありました。
繋がりが増えた課外活動
留学生活では、授業以外の課外活動でも学びが多いと感じています。現在、南洋理工大学では3つの団体に所属しています。
1つ目は、前回のレポートでも触れましたが、NTU Japanese Appreciation Club (JAC) という学生団体です。私は主に外部からの日本人見学者の対応と現地学生の交流サポートのための活動をしています。意外かもしれませんが、南洋理工大学には日本からも多くの教育関係者や高校生、大学生が見学に来ます。先学期は修学旅行でシンガポールを訪れていた高校生に対して学生交流会の開催とキャンパスツアーをしました。既にシンガポールの生活に慣れ、案内する側となった私にとって、シンガポールや南洋理工大学を純粋に楽しむ姿は新鮮に映りました。また、他大学の学生や高校生など、AIUでは出会うことがなかった層の人々との交流に面白さを感じています。
2つ目は、韓国語勉強のクラブです。このクラブは主に韓国人の正規?交換留学生とシンガポール人で構成されています。毎週、何かしらのテーマを決めて特定の文法や表現の練習をしています。韓国語を使いながら、韓国の文化や他文化との差異について話したりもしています。もともと韓国文化?文学に興味があったので、AIUでも第2外国語として韓国語を履修していました。留学先でも韓国語学習を続けたい、韓国人学生や韓国文化に興味のある現地学生と交流したいという思いがあり、このクラブに入りました。英語中心の生活を送る中で他言語に触れることはちょうど良い息抜きになっています。
3つ目は、2学期目から活動を始めたJapanese Cornerという団体です。南洋理工大学の日本語科と協力しながら、主に日本語クラスの学生を対象に日本語学習の手伝いをしています。シンガポールでも知名度が高い日本のアニメや音楽がきっかけで日本語を学んでいる学生が多くいるのですが、授業時間以外で日本語を使う機会も文化交流の機会も少ない状況を見てもどかしくなり、この活動を始めました。自分のできることがほんの少しでも誰かの役に立てることができれば、という気持ちが活動の原動力となりました。また、この活動を通して、日本語学習者にとってわかりやすい日本語とは何だろう、ということを考えるようになりました。日本語を母語とする人間が何も考えずに話す、ある意味では「自然な」日本語は、授業で勉強した文法や単語の理解をもとに日本語を使う学習者にとって、しばしば理解しづらいことがあります。自分自身もずっと外国語を学ぶ側の立場でしたが、今一度原点に立ち帰り、わかりやすい日本語表現を考えるようになりました。
私自身、あまり人と積極的に交流をするような性格ではないと自認しています。自分が興味関心のある活動に参加することで、興味の延長で緩やかに人と関わっていきたいと考え、留学生活を過ごしています。いつも手探りの状態ではありますが、活動を通じて徐々に繋がりが増えてきていることを感じています。
観光社会学の授業を履修中!きっかけは冬季休暇の東南アジア旅行!
留学先では、12月から1月にかけて冬季休暇がありました。帰国することは考えていなかったため、留学先でできることを探し、国際映画祭でのボランティア活動と東南アジア旅行をして休暇を過ごしました。
11月末から12月にかけてシンガポール国際映画祭が開催されており、会場設営や観客誘導などのボランティアとして携わりました。主にシンガポールや他の東南アジアの国々からの作品の上映を行っていて、いままで観てこなかった分野に出会えた新鮮さがありました。また、映画祭の主催やゲスト、他のボランティア参加者など、さまざまな立場?バックグラウンドの人々と関わることができたことも面白かったです。
東南アジア各国の生活のあり方や空気感を自分の目で見てみたい、と留学前から考えていたこともあり、残りの休暇期間は一人で周辺国を旅行して過ごしました。行き当たりばったりで始めた旅は、タイ、ベトナム、マレーシアでの滞在を経て、約1カ月ほどの長さになりました。また、留学に対する自分のモチベーションを保つためにも、休暇中の旅行は良い効果があったと考えています。大学に篭りがちになる生活から一変して、国を跨いでどこへだって行ける、と気づけたことで、充実感を覚えました。
また、自分のペースで旅行することによって、私は何が好きだっただろう、留学に来た時、何をやりたいと思っていただろう、というようなことを振り返る時間を持つことができました。この経験が2学期目をやり抜こう、という気持ちの支えとなっています。この休暇中の旅行をきっかけに、今学期は観光社会学の授業を履修しています。主体としての旅行者の視点だけではなく、様々な視点から観光活動を考察することに面白さを感じています。
留学レポートを書くことで見えてきた留学の軌跡
頭の中にはあっても今までは実行に移さなかったことを、「留学中である」という少しの高揚感に後押しされて、実際にやってみようと一歩を踏み出せるようになったことは、よい変化だと感じています。また、その行動の結果として小さくとも何かできたという達成感や学びを得ることができています。
留学は、「ここまで頑張ればよし」という基準もないので、どこかで自分で自分を認めてあげなくてはいけないことが、一番大変なことかもしれません。ただ日常のままを生きているだけでは、今の状況に甘んじていて、よくないのかもしれないとどこかで感じることがあります。「せっかく留学に来ているのだから」「何か意味のあることをしなければ」という気持ちは、行動を後押ししてくれるときもありますが、自分自身を押しつぶしてしまうプレッシャーにもなり得ます。
しかし、今回の留学レポートのためにこれまでの留学生活を振り返ると、思っていたより色々なことをしてきていることに気がつきました。自分がしたかった勉強をし、人と関わり、旅行をしたことを振り返ると、何もしていないというわけではなさそうです。そもそも、留学生として未知の土地で生活しているだけでも、私にとっては初めてのことで、大したことだったなあと思います。留学前に親しい先生から言われた、「生きて留学を終えて帰国できれば十分」という言葉を今じんわりと思い出しています。
国際センターから一言
このレポートを書くことで山本さんがこれまでの留学の軌跡を追えたように、日記を書いたり、出来事を記録をしたりすることは、のちのち留学生活を客観的に振り返り総括する上で役に立ちます。その時々は特別なこととは捉えていないことでも「あれがターニングポイントだったな」と思えたり、山本さんのように「こんなにもいろいろなことができたな」と留学の成果が自分の自信へと繋がっていくこともあります。手軽に写真や動画で思い出を残せる時代ですが、留学する学生の皆さんにはぜひ文字で記録することもお勧めします。
英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。