私のオススメ授業紹介：日本語学概論（小久保 茉央さん）

こんにちは！2021年入学の小久保 茉央です。グローバル?スタディズ領域を専攻し、フィンランドに留学していました。

履修した理由

私がこの授業を履修した理由は、日本語の教え方に対する理解を深めたかったからです。フィンランドに留学していた時に、フィンランド人の友だちに日本語を教えるというプログラムに参加しました。そのときに、普段何気なく使っている日本語をどのように教えたらいいのか分からず、戸惑いました。これをきっかけに、日本語教育に関する基礎的な知識を体系的に学びたいと思い、この科目を選択しました。

履修を通して得られた学び

授業では、日本語の構造や文法といった基礎知識に加え、歴史的背景や方言の分布についても学びました。それだけでなく「そもそもなぜ言語が必要なのか」「日本に多様な国の人々が集まるこの時代に、どのようなソーシャルデザインが人々にとって生活しやすい環境をつくるのか」といった、社会的な観点からも日本語を考える機会がありました。こうした多角的なアプローチによって、日本語の学びが単なる言語学習を超え、広がりを持つものになったと思います。

また、留学先のフィンランドで、フィンランド語を学びながら生活していた自分の経験と、日本語学習者の姿が重なる瞬間がたくさんありました。その経験を振り返りながら、新たな発見や納得する瞬間があり、それが学ぶことの楽しさを再認識させてくれました。

さらに、授業の最終回では、それぞれが気になるテーマについて研究し、発表する機会がありました。私は「日本語の呼称と家族の距離の関係性」について調べました。このテーマを深掘りする過程や友人たちの発表を聞く中で、言語が持つ社会的な役割の奥深さを改めて実感しました。

この授業を通じて、言語学習に対する面白さを改めて発見し、言語を学ぶことへのモチベーションがさらに高まったと感じています。日本語教育に限らず、言語の役割について考えることができた貴重な体験となりました。

言語教育に必要な視点を学べる

この科目で特に興味深かったのは、文字の読み書きに困難を抱える発達性ディスレクシアの視点から言語学習を考える機会があったことです。発達性ディスレクシアという学習の障壁について学ぶことで、言語教育は単に知識を教えるだけではなく、学習者一人ひとりの特性や課題に寄り添う支援が必要であることを強く実感しました。これは日本語教育だけでなく、全ての「教える」という行為全般に活かすことができる学びだと思っています。

また、AIUでは英語を中心とした授業が多い中、日本語を使って学び、母国語で自分の意見を表現できる機会があることは、とても新鮮で楽しかったです。母国語での学びが自身の考えを深める良い機会となりました。

留学経験を振り返りながら言語学習ができる

自分自身の言語学習経験と授業内容が重なることが多く、その一致が授業をさらに面白いものにしました。例えば、留学中に日本語を教えた経験や、異文化環境での言語学習の困難さが、授業で学んだ理論や事例とリンクし、「なるほど、そういうことだったのか！」と納得することが多々ありました。このように、自分の経験を振り返りながら新しい知見を得ることができました。

日本語教育に興味を持っている人全員にオススメ

この科目は、少しでも日本語教育に興味を持っている人全員にオススメです。普段、意識せずに使っている日本語について学ぶことで、日本語に対する新たな視点を得て、新しいフィルターで世界を見ることができるようになりました。

特に、留学を予定している人に強くオススメしたいです。この授業で得られる知識は、留学先での活動にも活かすことができます。留学先でLanguage Partner Programなどを通して、現地で日本語を教える機会がある際、この授業で学んだ教授法や学習者の視点が役に立つと思います。また、日本語に限らず、言語を学ぶことが好きな人や、異なる文化や言語に興味を持っている人にもぴったりの科目です。