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AIUクラブ紹介:環境クラブ
学生の約9割がキャンパス内の学生寮?宿舎で生活する国際教養大学はクラブ活動も活発です。多くの学生が国籍や学年の垣根を越えて交流を深めています。今回は、「環境クラブ」をご紹介します。クラブ代表の五十島 麟信さん(2024年入学、島根県出身)と副代表の細井 久平さん(同年入学、神奈川県出身)にお話を伺いました。
環境クラブって、どんなクラブ?
五十島さん:環境クラブは、環境問題に対して主体的に取り組む学生の集まりです。地域との連携や多様な活動を通して、環境問題に対する理解を深め、社会貢献を目指して活動しています。環境というと、自然を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、生活環境、自然環境、学習環境、食事環境、腸内環境、睡眠環境など、環境は包括的なアプローチができるものです。言ってみれば、自分らを囲むもの全体を指します。
メンバーは13名おり、主な活動場所はキャンパスです。週に1回、対面で打ち合わせを行い、実施予定の企画やその進捗状況などを話し合います。異なる価値観、さまざまなバックグラウンドを持つ学生が集まり、協力しながら活動しています。
クラブの楽しさ
五十島さん:活動では環境問題全般を幅広く扱っており、メンバーは、自分の興味関心に合わせて活動できます。地域の方々との交流を通じて無農薬?無肥料栽培などの取り組みを実践している学生もいます。環境問題の解決に向けて、具体的なアクションを起こせるのが面白いです。昨年7月には、有志で「はだしウィーク」を行いました。一週間、素足で生活をして自分と環境との関わりを体感するという狙いの企画です。今まで感じたことのないアスファルトの熱さに、歩くのも一苦労でした。また、農作物などを収穫し、メンバーで一緒にたき火を囲みながら大地の恵みや周囲の方々への感謝を実感できる大切なひとときを過ごしました。

キャンパス内の環境意識向上に向けて
細井さん:入学後、環境クラブがキャンパス内でコンポスト(枯れ葉や生ごみなどの有機物を微生物の力で分解?発酵させてできた堆肥)づくりに取り組んでいることを知り、この取り組みを存続させたいと思いました。
五十島さん:環境というと大きな枠組みのことと思われるかもしれませんが、普段廃棄されている食材の一部をコンポストの容器に入れるだけで、自分たちで肥料を作ることができます。いつかゴミ拾いウィークなどを企画して、キャンパス全体で挑戦したいと思います。
まだ計画段階ですが、AIUはキャンパス内に居住する学生が多いので、寮や宿舎にあるコミュニティキッチンにフードシェア用の冷蔵庫を設置して、食品ロスの問題に関する取り組みも行ってみたいと考えています。
また、寮や宿舎ではルームメイトがいて、生活習慣も違うため、部屋によっては電気、冷房、換気扇をつけたままにすることもあります。加えて、安全面などの理由もあると思いますが、夜のキャンパスを歩いていると、電気や冷暖房がついたままの教室を見かけることがあります。節電や節水など、学生主体で進めていける啓発活動を今後増やしていきたいと考えています。
地域との連携
細井さん:卒業生のご縁で地域の方からお借りしている畑は、代々環境クラブで受け継いでいます。サツマイモを収穫したり、地域の方々との交流の場として活用しています。
農業では規格外の野菜ができるのは自然なことです。現状ではそれを安く売るか、もしくは捨てなければならないこともあります。そうした野菜をうまく活用できる方法を模索し、農家の方々にも喜んでいただけるような活用?還元の仕組みを考えていきたいです。たまに知り合いの農家の方が来て、レシピをシェアしてくださいますが、それもとても美味しいです。
クラブ活動を通して、環境問題を多角的に学び、考える力が身についたと思います。地域コミュニティと関わる機会をもっと増やして、秋田ならではの環境問題にも目を向けながら、主体的に活動の幅を広げていきたいです。

社会課題への取り組み
細井さん:現在、カーボンクレジット(炭素クレジット)についても、大学の中で何か取り組みができないかと議論しています。節電に協力した学生は節電量にあわせてカーボンクレジットを獲得し、電力をたくさん使う人と取引できるような仕組みです。その取引をもとにカーボンオフセットとして、排出量と吸収量の総量をゼロにするような取り組みを目指しています。
昨年は、秋田県議会議員のパネルディスカッションにも参加しました。再生可能エネルギーとして脚光を浴びている秋田の洋上風力発電について事前に勉強し、生態系への影響や、環境アセスメントの手順などについて質問しました。議員の方は私たちの質問に対して具体的な影響などを答えてくださいました。
五十島さん:デンマーク、スペインなど環境に関する先進的な取り組みを行っている国がたくさんあるので、そこでの事例からももっと学びたいです。オランダのサーキュラーエコノミー(循環経済)などを参考にしながら、秋田の企業と連携?協力できることがないか考えているところです。
今後の展望
細井さん:自由な活動、やりたいことを提案し、実行できる機会を最大限に活かすためには、自ら考え、行動し、継続するという姿勢が大切です。
五十島さん:顧問の先生とも相談しているのは、大学の環境ポリシーを作成し、具体的な行動目標を提示することです。野菜を育てるには肥料が必要ですが、自分たちのキャンパスから出た肥料で循環したほうが理想的です。今後も地域の農家との連携を深め、フードロス削減や地域活性化などに貢献していきたいと思います。そして、AIU生にとって環境活動がより身近なものとなってほしいです。