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学生活動
私のオススメ授業紹介:科学と芸術の文化史、理論、評論(伊藤花さん)
国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨くことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。今回は伊藤花さんのオススメ授業第5弾をご紹介します。
こんにちは!伊藤花です。今回は、「科学と芸術の文化史、理論、評論」という授業を紹介します。

科目情報
- ART310 科学と芸術の文化史、理論、評論
- 担当教員:阿部邦子特任教授
- 単位数:3単位
科目の特徴
皆さんの中には「美術と科学に繋がりなんてあるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。美術史といえば芸術運動や画家のスタイルなどに目が向きがちで、正反対なトピックに見える科学との関連性は一見すると不透明にも思えます。しかし、美術と科学の歴史はとても複雑に結びついており、レオナルド?ダ?ヴィンチが用いた遠近法やゴッホの絵画特有の色使い、街中で見かける現代建築まで、美術の制作技法は単なる美の表現にとどまらない、人間の視覚がどのように色や形を認識あるいは錯覚し、どのような印象を受けるのか計算し尽くされた技術なのです。この科目では、美術の歴史を、主に科学との関連性に注目して紐解いていきます。ディスカッションベースの日々の授業では多様なアートと科学の関連を学生それぞれの視点から深く話し合い、学期末のプレゼンテーションでは各々が好きなトピックを選んで調査?発表を行います。中世絵画の色彩や遠近法だけでなく、プロジェクションマッピングやバイオテクノロジー、AIのアート技術など、とにかく幅広い芸術分野と科学がいかに深く関わっているかを知ることができる、まさにAIUらしい学際的な科目です。
受講した理由
実は私がこの授業を履修したきっかけこそ、「科学と美術の関連性とは?」という冒頭の疑問でした。それまで美術史に力を入れて学んでいた私には、宗教?歴史と美術の歴史はともかく、科学技術の歴史と美術がどう関わり合うかまで理解が及んでいなかったのです。ちょうど卒業論文のテーマを美術史に決めたところだったので、自分にはない「芸術と科学を結びつける視点」を身につけたいと考えました。また、以前に私の好きな画家の一人であるクロード?モネの作品が光学的に計算されたものであると教授から聞いたことも、この科目への強い興味に繋がりました。モネの特徴的な着彩は、ただ美しさを追求するだけでなく緻密に計算されていると知り、「他に科学的視点を用いた作品はあるのか?」「この構図の理由は?」など多くの疑問が生まれました。科学や数学は高校時代から苦手でしたが、「どう美術と関わっているのかをより深く知りたい」という好奇心から履修を決意しました。
履修した感想
この科目の最も面白い点は、アート×科学という一見正反対な2つを組み合わせたところにあると思います。授業内で扱うテーマは、量子力学、心理学×現代彫刻、認知心理学×絵画の色使い、環境学×デザイン、はたまた「AIによる生成物は美術作品と言えるのか?」という美術の概念そのものまで多岐にわたります。学際的な観点から美術史を考えることで、「これも科学技術の応用で、こんなところにも錯覚を利用した仕組みがある!」という風に、学べば学ぶほど新たな発見が生まれます。また、多種多様なテーマが認められるということは、学生の数だけ「アート×科学」の解が存在するということでもあり、日常にありふれたデザインの意味や効果など、「歴史」の枠を飛び出して、「これはどうかな?」と得た知識を応用し、自身の生活の中にある科学と美術の繋がりについて考えたり、授業の中で自分の気づきと相手の考え方を比べてみたり、学びへのアプローチも十人十色です。少人数教育のAIUだからこそ、クラスメイトとの議論を深く楽しめます。授業を受ける度に知的好奇心が刺激され、履修前と後とでは、がらりと世界の見方が変わることでしょう。
阿部先生からのメッセージ
この科目は実はSTEAM(Science, Technology, Engineering, Arts, and Mathematics)教育を意識したのもので、特徴はその学際性にあります。知的好奇心が突き動かす真実を求める科学的探求プロセス(観察、分析、仮説、実験)と、芸術創作のプロセス(発想、想像、考案、創造)との関わりを現代までの人類の創造の文化史の中で紐解き、時には理論的、哲学的疑問または倫理的批判を投げかけ、ひいては全く新しい創造へとつなげるトレーニングをするものです。授業形態はクラスでの自主的なディスカッションが主体で、グループや個人でのあらゆる可能性を求めての学際的探求へと導きます。国際リベラルアーツ教育の目標の一つである異領域を縦横無尽に渡りグローバルな問題の解決にチャレンジできるマインド育成に繋がると信じています。