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学生活動
私の留学レポート:モロッコ?アル?アハワイン大学~浅井千代さん(1)~
国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生とともに履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。
今回は、モロッコに留学中の浅井千代さんのレポート第1弾をご紹介します。
はじめまして!兵庫県出身で2020年春入学、グローバル?スタディーズ領域に所属しています浅井千代です!

念願のアル?アハワイン大学への留学
現在、私はモロッコにあるアル?アハワイン大学(Al Akhawayn University in Ifrane:AUI)に留学しています。AIUに入学した時から「アフリカの国に行きたい!」と思っていた私にとって、アル?アハワイン大学を提携校リストで見つけた瞬間「ここだ!」と直感しました。
アル?アハワイン大学は、リベラルアーツ教育を基盤としており、小規模で地方に立地しているため、キャンパスの雰囲気などAIUとの共通点があり、私にとって非常に魅力的な環境だったことも留学先として選ぶ際の決め手の一つでした。大学名の頭文字も、AIUとAUI でよく似ています。?
せっかくモロッコに来たからには、現地でしか学べない授業を取りたい!と思い、1学期目はイスラム圏の文化や社会についての授業や、フランス語、アラビア語などの言語の授業を中心に履修しています。特に言語学習の面では、日常生活の中で実践できる機会が多く、日本で学ぶよりも上達するスピードは格段に早いです。3カ月でお店の人とアラビア語で少し会話できるようになりました。また、AIUでは開講数が限られているジェンダー学や心理学の授業を受講できるのも、留学ならではの魅力だと感じます。

現地で感じる「人とのつながり」
モロッコでの生活は毎日が新鮮な驚きの連続で、値段交渉が当たり前だったり、シャワーが水だったり、他の部屋の天井が落ちてきたり。小さなことから大きなことまで挙げ出したらキリがないほど、日本で感じていた「当たり前」が覆される日々です。
毎日が刺激で満ち溢れているモロッコですが、やはりここにきて一番良かったと感じることは、人々の圧倒的な温かさに触れる機会が多くあることです。特に印象的だったのは、イスラム教の断食月「ラマダン」です。人口の9割以上がイスラム教徒のモロッコではこの期間、社会全体がラマダンを中心に動き、日の出から日没まで水さえ飲めません。その代わり、日が暮れたらお祭りのように皆で断食明けの食事「イフタール」を楽しみます。そんな中で私も実際に、1カ月間断食に挑戦しました。知り合ったばかりの友人が、イフタールに招待してくれたり、多くのモロッコ人の友人のご家族が「日本人の友人にも食べさせてあげて!」とイフタールの伝統料理をわざわざ作って送ってくれたり。どんな人でも家族のように迎え入れてくれるモロッコの人々の温かさは、他人との距離感が遠くなっていると感じる昨今、「人とのつながり」の大切さを改めて実感させてくれるものでした。

「暮らす」ことで深まる学び?
モロッコに来て最初に感じたのは、自分自身に貼られた「アジア人」というレッテルでした。道を歩けば「ニーハオ」と声をかけられたり、差別的な言葉を浴びせられることがしばしばあります。アジア系の人口が少ない地域なので、悪意のない好奇心から声をかけられることもありますが、想像以上に周りからの視線を感じることが多いのが現実です。しかし、こうした経験は、旅行ではなく留学という現地で「暮らす」という視点でないと得られない大切な学びだと思います。差別というのは根強い問題で、もちろん私一人の力では今すぐ何かを変えられるわけではないかもしれません。ただ、彼らの言語を学び、相手の文化に歩み寄り、彼らにとっての「初めてのアジア人の友人」になることで、アジア人に対する見方を少しなら変えることができるかもしれません。大学内での勉学もこの留学の目標の一つですが、大学外での生活にも学びはあり、私が今ここでアクションを起こすことによって、未来の誰かが同じようなネガティブな経験をしなくて済むような環境づくりに少しでもつながれば嬉しいです。
留学というとキラキラしたイメージを持たれることも多いと思いますが、実際は戸惑いや悩みの連続です。しかしその分、自分の価値観がどんどん広がっていくのを日々感じられる貴重な経験でもあります。語りきれない私のリアルな「モロッコでの学びと暮らし」を、このレポートを通じて皆さんに届けていきたいと思います。

国際センターからの一言
アル?アハワイン大学へAIU生が留学したのは実に11年ぶりとなるため、情報収集に苦労される点もあったかと思いますが、浅井さんは留学準備の段階から常にモチベーションを高く維持し、明るく前向きな姿勢だったことがとても印象に残っています。留学先に到着した後は、留学前のイメージと異なる現地での生活によって気持ちが落ち込んでしまう場合もあるのですが、さまざまなハプニングに遭いながらも前向きに過ごされていて、大変嬉しく感じています。キャンパス内にとどまらず、留学先の国の文化を積極的に体験している浅井さんの生活について、今後のレポートでも拝見できることを楽しみにしています。
英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください