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私のオススメ授業紹介:ジェンダー学概論(小杉友香さん)

国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨くことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。今回は小杉友香さんのオススメ授業第2弾をご紹介します。

小杉友香さん
小杉友香さん

科目情報

GND200 ジェンダー学概論: 女性の権利とリーダーシップ
教員:千葉加恵子准教授
単位数:3単位

履修理由

私は社会における男女の役割や、ジェンダーに関する固定観念に関心を持っており、自分自身の価値観を見つめ直すきっかけを得たいと思い、この科目を履修しました。以前履修した社会学の授業で、ある性別に求められる振る舞いやジェンダー像は社会から作り出され、個人に植え付けられていくことを学びました。近年、ニュースやSNSでジェンダーに関する議論を目にする機会が増える中、表面的な意見のやり取りではなく、明確な自分の意見を持って社会問題を分析できる力を身につけたいという思いもありました。また、将来社会で働く上で、性別にとらわれず多様な人が活躍できる環境づくりに貢献したいという思いもありました。この授業では「女性の権利とリーダーシップ」というテーマのもと、過去から現在に至るまで女性がどのように社会進出してきたのか、また日本社会の構造にどのような課題が残っているのかを学ぶことができると知り、興味を持ちました。

授業の概要

この授業は、日本社会のジェンダーの問題を家族、教育、文化、経済、労働環境などさまざまな観点から考察し、現代社会の課題や構造的な不平等を理解することを目的としています。具体的には、制服、ホステス?ホスト業、オールジェンダートイレ、LGBTQの権利などの事例を取り上げ、理論的な枠組みを実社会に当てはめて議論を展開します。

抽象的な理論だけでなく、身近な題材を取り上げることで、自分自身の経験や価値観とも結びつけながら考えられる点がこの授業のおすすめポイントの一つです。一番印象に残っているのは、秋田におけるジェンダー問題を一つ取り上げ、実際にインタビューを行い、その結果をグループでプレゼンテーションする課題に取り組んだことです。

私たちのグループは、大曲の花火制作会社を訪問し、海外ビジネス部門で活躍されている本学卒業生の社員や、女性花火師の方々にインタビューし、花火制作業界の抱える課題や女性が働きやすい環境を整えるための取り組みについて伺いました。

花火師
女性花火師の方々
花火
受け継いだ技術、細やかな手作業によって作られた花火

授業を履修した感想

花火制作業界は、もともと男性中心で上下関係がはっきりした保守的な体質や、国内花火大会への需要低下の動向などが課題として指摘されていました。一方で、取材先の会社は、いち早く海外進出に乗り出し、積極的に海外の展示会やイベントに参加するなど、世界中に大曲の花火の魅力を伝える活動に取り組んでいます。また、すべての社員が性別やキャリアに関わらず働きやすい環境を整えるため、子育てなどを考慮した柔軟な勤務時間の調整を行っていました。さらに、日本各地?世界各国からの人材を発掘し、多様性を大切にした職場環境を実現していました。今回のインタビューを通して、大曲の花火に対する誇りや情熱に直接触れることができ大変感動したと同時に、授業で学んだ日本社会が抱えるジェンダー平等がいかにして実践されているのかを肌で感じることができました。

この授業を通して、日本社会に根強く残るジェンダー構造や労働慣行について理論的に学んできましたが、今回のフィールドワークは、それらの知識が実際の現場でどのように体現されているのかを理解する貴重な機会となりました。特に、伝統産業である花火制作のように、一般的には「男性中心」「保守的」と捉えられがちな業界であっても、実際には企業ごとの努力や価値観の変化によって、ジェンダー平等や多様性の推進が着実に進められていることに驚かされました。また、柔軟な働き方の導入や海外市場への積極的な挑戦など、従来の枠にとらわれない姿勢からは、地方発の伝統産業であっても世界に向けて可能性を広げていけることを強く実感しました。授業で得た知識と現場で見た実践が結びついたことで、日本社会の変化とそこに関わる人々の努力をより立体的に理解できたと感じています。

千葉先生からのメッセージ

小杉さんはいつもジェンダー問題に興味をもち、デジタルアーカイブでは貴重なインタビュープロジェクトにかかわってくださりました。小杉さんのプロジェクト内容は下記のTohoku Digital Archivesのウェブサイトで公開されております。次世代にも残る貴重な地元の皆様のお声です!ぜひご覧ください。